姉がうちにやってくると「あのルポゼって青山にあったルポゼ?」と聞く。私は近所にある手作りパイの店を思い浮かべたけど、青山にあったという店とは思えなかった。
行ってみる!と足早に歩き出した姉を追って、イマドキでもないような小さなパイ屋さんに入っていった。
ご主人に「むかし青山にあったルポゼさんですか?」と聞いた瞬間から盛り上がる二人。
手のひらにのる程のかわいいパイはそう買いやすい値段でないのはウィンドウを見て知っていたけど、懐かしそうにパイを選ぶ姉につられて、私もパイを買っていた。
姉と同い年の主人に聞くとやはりルポゼを知っていて、
『なんとなく、クリスタル』にも出て来るような店だったんじゃない?と言う。
うちにあった今となっては古典となったその文庫本を開いてみた。
〜淳一と一緒の時は、少し上品に高樹町130のルポゼ131で、パイにトライしてみる。〜
131◯ルポゼ 薬剤師みたいな白衣を着た従業員がいて、小さくてカリカリしたパイを焼いてくれます。なんともペダンティックな雰囲気が、『クロワッサン』あたりを読みそうな人に似合います。
ルポゼ 東京都目黒区八雲1-2-1 TEL.03-3718-6222 火曜日定休