今回の旅で山中の木地師、佐竹康宏氏の作品を見たいと熱望していたダンナ様。しかし何も段取りをしてないのはいつもの事…。あらやの女将さんに尋ねると、なんと佐竹さんの工房見学をコーディネートしてくださった!宿から車で15分ほどで
工房 千樹へ。
佐竹さんは親切に工房へ招き入れてくださり、長男の功充さんが案内してくれました。写真の轆轤(ろくろ)作業は次男の泰誌さん。この椀はクルミの木でとても固いそうで、少し削っては鉋(かんな)の刃を研ぎリズミカルに作業をしている姿は、とても美しかったです。
工房であっと驚いた風景はオブジェのように高くそびえる椀タワー!この前の地震の際に『あれはどうなった?』とみなさん連絡をくれたそうですが、『ひとつも崩れてこなかったんですよ〜』と誇らしげに話してくれました。どっしりと組体操を組んでがんばる力持ちなお椀たちが愛しく思えました。木地の仕事は削るだけではなく乾燥の管理も重要なんですね。漆器はたくさんの行程と職人さんの愛情をかけられ、できあがるものだとわかりました。
工房の仕事を見学後、ご自宅にあるギャラリーで佐竹さんと楽しいお話しをしながら作品を見せていただきました。『漆は自分の手と同じように扱えばいいんです』という言葉がとくに印象に残りました。美しい漆の器をもっと日常で自由に使ってみようと思いました。
樹齢2300年高さ40mの三又大杉があるすぐ裏の八幡神社でお散歩。三又大杉はこの土地をずっと見守ってきた樹木の神様なんだろうな。苔むした階段やいろいろな樹木の中でとてもゆっくりした気持ちになれました。
佐竹さんが言う媚びない姿勢と家族が一致協力する工房千樹の在り方が、なぜか大きな木みたいに思えました。
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